お客様のご自宅に訪問し、リハビリテーションを行う。作業療法士ではあるが、看護の知識が必要な場面や、お客様からしつもんがあったり、理学療法の知識及び基本動作のリハビリテーションなどの実施、歩行訓練の実施をした。

歩合給のため、ノルマがあり、やった分だけ評価、あるいは評判が良ければ評価されるが、ノルマ未達成、１度でもクレームがあれば極めて厳しく叱責され評価が下がる、またプレッシャーをかけられた。そのため、非常に悩み、のびのびとは仕事ができず、心身のバランスを崩しかけることもあった。
退職者も多く、人の出入りが激しい職場だった。
天候がある中での自転車移動のため、体力面がある程度求められた。また、お盆やお正月もお客様の要望があれば出社していた。
その反対に、お客様の体調や都合により、急なキャンセルがあることもしばしばあり、歩合給の場合は報酬にすぐに跳ね返るため、月の手取額には落差があった。

ご自宅の限られた環境でのリハビリ、週に１度のリハビリの中でもお客様の状態に改善が見られ、できることが増えたり、お客様やご家族様の喜ぶ顔が見られる部分はやりがいを感じていたので、続けたかった。また、作業療法士の垣根を越えたリハビリテーションをさせていただけることも、非常に難しい部分ではあったが学ぶことが多く、貴重な経験になった。病院では決して体験できないことが日々あり、その分、責任は重大ではあったが、何年ものお付き合いになるお客様もいて、臨終まで関わらせて頂いた方もいた。そのお客様やご家族様の日常に溶け込むことは、ありがたいことだと実感した。在宅医療における最高のやりがいだと感じた。

自身でネット（PTOTSTネット）を使って検索し、電話連絡をして書類を送付した。その後施設見学に伺い面接を受けて内定を頂いた。

病院から退院したばかりなのに、関節こうしゅくが見られたり、できるようになったとサマリーに記載されているADLができなかったりするお客様がとても多かった為、リハビリ病院は、どうなっているのか？と疑問を持つようになったから。

入院患者様に対する作業療法
後輩指導及びフォローアップ

後輩指導やフォローアップにとられる時間が非常に長かったこと。

大学で自分が行ってきたような実習を経験してきていない後輩セラピストにリハビリを指導する、社会人としてのマナー、言葉遣い、態度、挨拶を指導すること。

患者様が再び能力を獲得して退院していく事ができたとき。

どちらとも言えません。

1人のセラピストとしては、成功だと感じましたが、若手指導と言う部分では力不足、経験不足でお役に立てず失敗だったと思います。自分が学生の時代は何度も様々な分野の実地経験を積んだが、私が指導した後輩セラピストはそういった実習を経験していないため、資格を取り現場に出ても、本当に右も左もわからず、私自身もそのギャップにどのように指導していけば伝わるのか困惑し非常に悩んだ。また、セラピストである以前に社会人としてのマナー、言葉遣い、態度、挨拶ができていないと周囲からクレームや指摘を受ける後輩セラピストが多く、リハビリテーションではない指導をしなければいけない時間も費やさなければいけなくなったことが、私自身をさらに追い詰めた。結果的には、作業療法士としての部分に疲労感を感じたのではなく、そういった指導の時間のために残業したり、業務時間を割くことが増え、バランスを取ることが少しずつ難しくなり退職を選んだ。
指導力が私に少しでもあれば成功と言えたかもしれないが、私にはできなかったと思うより他はないため、失敗だったと思う。

失った能力があっても、再びADLを獲得する患者様の姿を見られた時。
高次脳機能障害がある患者様が症状が改善し、その人らしさを取り戻していく姿を見られた時。

自分の経験が増えていけば、自分自身のリハビリだけではなく、後輩のリハビリに対して指導したり、フォローすることが、医療機関では非常に増える。私は訪問リハビリテーションに従事していたが、在宅医療業界では私の年齢は若手の部類で先輩方から指導される立場だった。それが転職とともに一変し、指導者の立場を非常に求められた。人を指導すると言う経験が不足していた自分には、ハードルが高く、また元来指導すると言うことが私自身、得意ではなかった為、毎日試行錯誤で非常に悩んだ。場所が変われば立場が代わり、求められることも変わることを毎日痛感し自信をなくしていった。今ならば、いい意味で距離をとり、取り組むことができるかもしれないと感じている。
ただ、在宅医療の経験も、医療機関での経験もどちらも貴重でかけがえのないものになったことは、間違いない。そこで出会った患者様、スタッフの方々全ての皆様に感謝の気持ちが尽きることはない。