労災後遺障害に関するQ&A：夫の膝の負傷と今後の見通し
労災後遺障害に関するQ&A：夫の膝の負傷と今後の見通し
この度は、ご主人の労災によるご負傷について、心よりお見舞い申し上げます。後遺障害に関するご不安、大変お察しいたします。今回のケースは、労災保険の補償、そして今後の生活設計に大きく関わる重要な問題です。専門家としての視点から、ご質問に丁寧にお答えし、具体的なアドバイスを提供させていただきます。
今回の記事では、ご主人の状況を詳細に分析し、後遺障害の認定可能性、等級、そして今後の手続きについて、分かりやすく解説します。また、労災保険の仕組みや、専門家への相談方法についても触れていきます。ご主人の早期の回復と、今後の生活が少しでも安定することを願っております。
質問：
主人の労災の後遺障害について質問です。長文になりますが、回答はざっくりでも構いませんのでよろしくお願い致します。昨年2月、仕事中に階段を踏み外し両膝着地をしてしまいました。すぐに救急病院でレントゲン撮影をしてもらいましたが骨には異常無しと言われたので、そのまま帰宅しましたが、腫れもひどく内出血もかなりしていたので、後日近所の整形外科を標榜している医院へ行きました。そこでは、ただの打撲だけど膝に水が溜まっていると言われたので抜いて帰りました。何度か同じ処置をしましたが、一向に良くならずもちろん歩けません。家では主人を台車に乗せてシャワーやトイレに連れて行き、病院へは車椅子をレンタルして通院していましたが、余りにも症状が改善されずMRIの撮影を申し出ましたが必要ないと言われてしまいました。不信感がいっぱいになり、主人と違う整形外科に行ってみようと言うことになりました。次に行った整形外科で今までのことを説明するとすぐにレントゲン撮影。結果、両膝の位置がズレてる？みたいなことを言われてMRIを撮ってきてほしいと言われてすぐ予約してもらい翌日行きました。1週間後に結果を聞きに行ったら、紹介状を書くので今すぐ入院してくださいと言われました。診断名は両膝大腿四頭筋腱断裂・左膝半月板損傷・左大腿四頭筋炎でした。転院先の病院で4月に2回に分けて手術をし2ヶ月半入院しました。退院後はまた以前の整形外科で毎日リハビリに通っていますが、手術をしてもうすぐ10ヶ月になります。最近では膝のチクチクと針で刺されるような痛みが酷く、リリカを1日2回服用していますが、ほとんど効果はありません。歩く距離も両膝サポーター・杖を使えばゆっくりですが300mほど歩けます。階段も手すりがないと登り降りは厳しい。正座はできません。ただし、あぐらはなんとか出来ています。なので、可動域は問題ない？のかと。ただ、筋力がない(起立姿勢が保てません)ので肉体労働・立ち仕事は無理なのと歩き回る営業も出来ないです。あと、両足(お尻から下)の痙攣？と言っていいのか分かりませんが、足が勝手に動きます。かなり大きく動きます。わざとで動かしてるような動きではありません。じっとしていても動きますし、少し足に触れただけでも動きます。今現在この様な症状ですが、後遺障害は認められますか？もし、認められるのであれば何級相当になるのでしょうか？
回答：
ご主人のご状況、大変ご心痛のことと思います。労災による後遺障害の認定は、今後の生活を左右する重要な問題です。以下、ご質問に対する詳細な回答と、今後の手続きについて解説します。
1. 後遺障害の認定可能性について
ご主人の場合、両膝の大腿四頭筋腱断裂、左膝半月板損傷、左大腿四頭筋炎という診断名から、後遺障害が認められる可能性は非常に高いと考えられます。労災保険では、労働災害によって負った傷病が治癒した後、身体に一定の障害が残った場合に、後遺障害として認定されます。
- 大腿四頭筋腱断裂： 膝の伸展（伸ばす）機能に影響を与え、歩行や起立に支障をきたす可能性があります。
- 半月板損傷： 膝の安定性や可動域に影響を与え、痛みや可動域制限を引き起こす可能性があります。
- 大腿四頭筋炎： 筋力低下や痛みの原因となり、日常生活動作に支障をきたす可能性があります。
ご主人の場合、歩行距離の制限、階段昇降の困難さ、正座の不可、筋力低下による起立困難、そして足の痙攣といった症状は、いずれも後遺障害として評価される可能性があります。
2. 後遺障害の等級について
後遺障害の等級は、症状の程度や内容によって決定されます。具体的な等級は、以下の要素を総合的に判断して決定されます。
- 可動域制限： 膝の曲げ伸ばしの角度がどの程度制限されているか。
- 筋力低下： 膝の筋力がどの程度低下しているか。
- 痛み： 痛みの程度、頻度、持続時間。
- 神経症状： 足の痙攣などの症状。
- 日常生活への影響： 歩行、階段昇降、仕事への影響など。
ご主人の場合、以下の等級が想定されます。
- 10級～12級： 膝の可動域制限や筋力低下、痛みが主な症状の場合。
- 8級～9級： 上記に加え、神経症状（足の痙攣）が強く、日常生活に大きな支障をきたす場合。
最終的な等級は、医師の診断書や検査結果、そして労災保険の審査によって決定されます。専門家である社会保険労務士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
3. 今後の手続きについて
後遺障害の認定を受けるためには、以下の手続きが必要です。
- 症状固定： 治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態（症状固定）であると、医師が判断する必要があります。
- 後遺障害診断書の作成： 医師に、後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。この診断書は、後遺障害の等級を決定するための重要な資料となります。
- 労災保険への申請： 後遺障害診断書やその他の必要書類を揃え、労働基準監督署に後遺障害の認定を申請します。
- 審査： 労働基準監督署が、提出された書類を審査し、後遺障害の等級を決定します。
- 給付金の受給： 後遺障害の等級に応じて、後遺障害（補償）給付金が支給されます。
手続きは複雑なため、専門家である社会保険労務士に依頼することをお勧めします。社会保険労務士は、書類作成や申請手続きをサポートし、適切なアドバイスを提供してくれます。
4. 専門家への相談
労災保険の手続きや、後遺障害の認定については、専門的な知識が必要です。以下の専門家への相談を検討しましょう。
- 社会保険労務士： 労災保険の手続きや、後遺障害の認定に関する専門家です。書類作成や申請手続きをサポートし、適切なアドバイスを提供してくれます。
- 弁護士： 後遺障害に関する損害賠償請求を検討する場合、弁護士に相談しましょう。
- 整形外科医： ご主人の症状について、詳細な診断と治療方針について相談しましょう。後遺障害診断書の作成も依頼できます。
専門家への相談は、ご主人の権利を守り、適切な補償を受けるために非常に重要です。
5. 具体的なアドバイス
- 主治医との連携： 主治医と密接に連携し、症状や治療経過について正確に伝えましょう。後遺障害診断書の作成に向けて、積極的に情報提供を行いましょう。
- 記録の重要性： 症状や日常生活での困りごとを記録しておきましょう。日記やメモ、写真などが、後遺障害の認定において役立つ場合があります。
- セカンドオピニオン： 別の医師の意見を聞く（セカンドオピニオン）ことも検討しましょう。より客観的な診断や、適切な治療方針が見つかる可能性があります。
- リハビリの継続： リハビリを継続し、筋力維持と可動域の改善に努めましょう。
これらのアドバイスを参考に、ご主人の労災後遺障害に関する手続きを進めてください。ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
ご主人の早期の回復と、今後の生活が少しでも安定することを心より願っております。
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まとめ
ご主人の労災による後遺障害について、後遺障害の認定可能性、等級、今後の手続きについて解説しました。今回のケースでは、後遺障害が認められる可能性が高く、適切な手続きを行うことで、労災保険からの補償を受けることができます。専門家である社会保険労務士に相談し、適切なアドバイスを受けながら、手続きを進めていくことをお勧めします。
- 後遺障害の認定可能性： 高い。
- 想定される等級： 8級～12級。
- 今後の手続き： 症状固定、後遺障害診断書の作成、労災保険への申請。
- 専門家への相談： 社会保険労務士、弁護士、整形外科医。
ご主人の症状が少しでも改善し、安心して生活できるよう、心から応援しています。労災保険に関するご不明な点や、手続きについてご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。