認知症の進行を遅らせる！70代のお母様ができる生活習慣と家族のサポート
認知症の進行を遅らせる！70代のお母様ができる生活習慣と家族のサポート
認知症の症状が見え始めたお母様がいらっしゃるんですね。ご家族として、進行を少しでも遅らせたい、穏やかな日々を送ってほしいというお気持ち、とてもよく分かります。今回は、70代のお母様が普段の生活でできること、そしてご家族としてできるサポートについて、具体的な方法をお伝えします。
まず、今回のテーマを理解するために、認知症と生活習慣の関係性、そしてご家族の役割について、簡単に概要を説明します。
認知症と生活習慣の関係性
認知症は、様々な原因で脳の機能が低下し、記憶力や判断力、思考力などに障害が起きる病気です。認知症の進行を遅らせるためには、薬物療法だけでなく、生活習慣の改善が非常に重要です。具体的には、
- 脳の活性化
- 心身の健康維持
- 社会的なつながりの維持
などが挙げられます。これらの要素をバランス良く取り入れることで、認知症の進行を遅らせ、生活の質を向上させることが期待できます。
ご家族の役割
ご家族のサポートは、認知症の方の生活の質を大きく左右します。具体的には、
- 本人の状態を理解し、寄り添うこと
- 本人ができることを尊重し、自立を促すこと
- 安全で安心できる環境を整えること
- 専門家との連携を密にすること
などが重要です。ご家族が適切なサポートを提供することで、認知症の方のQOL（Quality of Life：生活の質）を維持・向上させることができます。
それでは、具体的なQ&A形式で、お母様の状況に合わせた対策を見ていきましょう。
質問: 認知症になりかけている人が認知症の進行を遅らせるようにするには、普段の生活でどのような事をすれば良いですか？ 私は７０代前半の両親との３人暮らしです。 母親なのですが、認知症と思われる症状が出てきました。 何年か前から物忘れのような症状はあったのですが、そんなに頻繁にあるわけではありませんでした。 しかし、１～２ヶ月くらい前から色々な症状が出てきています。 〇細かいお金の計算が出来ない。買い物の時に金額を間違えて出したり、小銭を出さずお札だけ出す事が頻繁にあります。 〇食事をして皿や調理道具を洗った後に本来の場所とは違う所に置く事があるようになりました。 〇曜日や日にちを間違う事があります。 〇直前の事を忘れるようになりました。例えば、先日も母親自身がヤカンに水を入れてガスコンロで沸かしてポットに入れたのですが、その直後に母親がガスコンロを手で触って「熱い。何で熱いの？」と言いました。どうやら、母親自身がコンロを使ったのを忘れて、使った直後のコンロを素手で触ってしまったようです。 母親は数年前まではパートで働いていたのですが、そのパート先の企業が倒産したので辞めて、それ以来は毎日何もする事はなく家にいます。 何もする事が無いといっても料理や掃除などの家事はしているのですが、それ以外には何か趣味みたいな事もありませんし、買い物とか通院で１ヶ月に３回くらい出掛ける程度です。 父親は亭主関白なので家庭の事はまったくせず、母親に上記のような症状が出ると「何でお前は同じ間違いを繰り返すんだ」とか「何やってんだバカ野郎」などと怒り出します。 母親のように、認知症と思われる症状が出ている人が少しでも進行を遅らせる方法はありますか？ 認知症を診てもらえる病院に行って治療するというのではなく、普段の生活で何か出来る事はあるのでしょうか？補足色々な事に興味を持って新しい経験をする機会があれば良いのかなと思っているのですが、母親は若い頃から興味の範囲が狭いような人でした。 また、質問に記載したように父親が亭主関白な人なので、母親がどこかに遊びに出掛けるという事がなかなか難しいです。
お母様の状況、大変ご心配ですね。認知症の進行を遅らせるためには、生活習慣の見直しが重要です。具体的にできることをいくつかご紹介します。
1. 脳を活性化させる習慣
脳を活性化させることは、認知症の進行を遅らせるために非常に重要です。具体的には、
- 知的活動：パズル、クロスワード、計算問題、将棋、囲碁など、頭を使う活動を取り入れましょう。最初は簡単なものから始め、徐々にレベルを上げていくと、達成感も得られ、意欲も湧きやすくなります。
- 新しいことへの挑戦：新しい趣味や習い事を始めることも効果的です。例えば、料理教室、絵画教室、書道教室など、興味のある分野に挑戦してみましょう。新しい知識や技術を学ぶことは、脳の刺激になります。
- 読書：本を読むことは、語彙力や理解力を高め、脳を活性化させます。好きなジャンルの本を選び、毎日少しずつ読む習慣をつけましょう。
- 回想法：昔の写真を見たり、思い出話をするのも良いでしょう。過去の記憶を呼び起こすことで、脳の活性化につながります。
お母様は、若い頃から興味の範囲が狭かったとのことですが、無理強いせず、本人が興味を持ちそうなものから始めてみましょう。例えば、昔好きだったことや、子育て中に楽しかったことなど、過去の経験をヒントに、新しい活動を提案してみるのも良いかもしれません。
2. 健康的な食生活
健康的な食生活は、脳の健康を維持するために不可欠です。バランスの取れた食事を心がけ、特に以下の点に注意しましょう。
- 地中海食：野菜、果物、魚、オリーブオイルを多く摂取する地中海食は、脳の健康に良いとされています。
- DHA・EPA：青魚に含まれるDHA・EPAは、脳の機能を活性化させる効果があります。積極的に摂取しましょう。
- 抗酸化物質：ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、脳の老化を防ぐ効果があります。野菜や果物から摂取しましょう。
- 水分補給：こまめな水分補給も大切です。脱水症状は、認知機能の低下を招く可能性があります。
お母様と一緒に、栄養バランスの取れた食事を作るのも良いでしょう。料理をすることは、脳の活性化にもつながりますし、家族みんなで食卓を囲む時間は、心の健康にも良い影響を与えます。
3. 適度な運動
適度な運動は、脳の血流を改善し、認知機能を高める効果があります。無理のない範囲で、毎日続けることが重要です。
- ウォーキング：毎日30分程度のウォーキングは、手軽にできる運動です。天気の良い日は、外に出て散歩するのも良いでしょう。
- ストレッチ：軽いストレッチは、体の柔軟性を高め、血行を促進します。
- 筋力トレーニング：スクワットや腕立て伏せなど、軽い筋力トレーニングも効果的です。
- 水中運動：プールでのウォーキングや水中体操は、関節への負担が少なく、効果的な運動です。
お母様の体力に合わせて、無理のない範囲で運動を取り入れましょう。一緒に体操をしたり、散歩に出かけたりすることで、楽しみながら運動を続けることができます。
4. 質の高い睡眠
質の高い睡眠は、脳の休息と記憶の整理に不可欠です。睡眠不足は、認知機能の低下を招く可能性があります。以下の点に注意して、質の高い睡眠を確保しましょう。
- 規則正しい睡眠時間：毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。
- 寝る前のリラックス：寝る前に、ぬるめのお風呂に入ったり、軽いストレッチをしたり、リラックスできる音楽を聴いたりして、心身をリラックスさせましょう。
- カフェイン・アルコール：寝る前のカフェインやアルコールの摂取は控えましょう。
- 明るさ・音：寝室の明るさや音にも気を配り、快適な睡眠環境を整えましょう。
睡眠の質を高めるためには、日中の活動も重要です。適度な運動や、日光を浴びることも、睡眠の質を向上させる効果があります。
5. 社会的なつながり
社会的なつながりを維持することも、認知症の進行を遅らせるために重要です。人との交流は、脳を刺激し、心の健康を保つ効果があります。
- 地域の活動への参加：地域の集まりや、趣味のサークルなどに参加してみましょう。
- ボランティア活動：ボランティア活動は、社会とのつながりを持ち、やりがいを感じることができます。
- 家族や友人との交流：家族や友人との交流を積極的に行いましょう。電話や手紙、ビデオ通話なども良いでしょう。
- 外出：買い物や散歩など、積極的に外出する機会を作りましょう。
お母様は、外出が難しい状況とのことですが、近所の公園を散歩したり、家族で一緒に買い物に行ったりするなど、できる範囲で外出の機会を作りましょう。また、電話やビデオ通話で、遠方の親戚や友人と交流するのも良いでしょう。
6. 家族のサポート
ご家族のサポートは、認知症の方の生活の質を大きく左右します。以下のような点に注意して、お母様をサポートしましょう。
- 理解と共感：お母様の気持ちに寄り添い、理解しようと努めましょう。怒ったり、責めたりするのではなく、優しく接することが大切です。
- 安全な環境：転倒防止のために、手すりを設置したり、段差をなくしたりするなど、安全な環境を整えましょう。
- コミュニケーション：ゆっくりと、分かりやすい言葉で話しかけましょう。一度に多くの情報を伝えようとせず、簡潔に伝えましょう。
- 役割分担：ご家族で役割分担をし、負担を軽減しましょう。
- 専門家との連携：必要に応じて、医師やケアマネージャーなどの専門家と連携し、適切なアドバイスを受けましょう。
お父様の対応についてですが、亭主関白な方とのことですので、お母様の症状を理解してもらうのは難しいかもしれません。しかし、お母様の状況を説明し、協力をお願いすることは重要です。必要であれば、専門家（医師やケアマネージャー）に間に入ってもらい、サポート体制を整えることも検討しましょう。
また、ご自身だけで抱え込まず、他のご家族や、地域のサポートサービスを利用することも大切です。介護保険サービスや、認知症カフェなど、様々なサポートがありますので、積極的に活用しましょう。
ご家族のサポートは、長期戦になることもあります。焦らず、無理せず、お母様と向き合い、一緒に乗り越えていきましょう。
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まとめ
認知症の進行を遅らせるためには、生活習慣の改善が重要です。具体的には、脳の活性化、健康的な食生活、適度な運動、質の高い睡眠、社会的なつながりの維持が大切です。ご家族は、理解と共感、安全な環境の提供、適切なコミュニケーション、役割分担、専門家との連携を通して、お母様をサポートしましょう。焦らず、無理せず、お母様と向き合い、一緒に穏やかな日々を送れるよう、応援しています。