「帰りたい」と願う母と、寄り添うことしかできない私…施設入居後の親孝行とは？
「帰りたい」と願う母と、寄り添うことしかできない私…施設入居後の親孝行とは？
お母様の事故と、その後の施設入居という状況、心中お察しいたします。ご自身の精神的なご負担もさることながら、お母様の「帰りたい」という切なる願いを聞くのは、本当に辛いことと思います。今回のQ&Aでは、そのような状況下で、どのように親孝行をしていくことができるのか、具体的なアドバイスをさせていただきます。
まず、今回の状況を整理し、あなたが抱えている感情と、これからできることについて、一緒に考えていきましょう。
質問失礼します。2ヶ月前、母親が車と接触し転び大腿骨頸部骨折と診断され急性期病院に1ヶ月、回復期病院に約1ヶ月入院しています。年齢が82なので手術は厳しいかなと思われましたが、手術は問題なく行われリハビリには意欲的で、担当の理学士の方や主治医の先生も驚く程でした。フィジカル面は全く問題ないのですが、母には認知症があり、今回の事故も母親の認知機能の低下で起こった事故と判断され、主治医の先生は自宅に戻す事は出来ない、ソーシャルワーカーさんも地域包括センターの職員さんも全員賛同され、賛同の理由に自分自身にある精神障害がある事、母親の身体の栄養状態が悪い事、ちなみに母親の体重は33キロしかありませんも自宅に返せない理由だと言われました。こちらの意見は全く通らなく、施設入居が決定しました。母は帰りたい、自分と一緒に暮らしたい、頑張ってリハビリをすればまた一緒に暮らせると言われ頑張ってたみたいで、泣きながら自分に訴えていました。もう大丈夫、一緒に帰ろ？誰に言えば一緒に帰れる？ずっと自分の腕掴んで泣いてました。自分は力になれなくてごめんねとしか言えず、帰りたい、帰りたい、また一緒に歩いて買い物に行きたい、電車やバスに乗って遊びに行きたいって別れ際までずっと泣いてました。正直自分自身も帰れるとずっと信じて待ってました…戻れない事を知ってからは毎日しんどく、部屋の逆側母親がもう2度と座る事はなく、話し相手が居ないと1人が辛いです。考える事は親と過した日、もっと話せばよかった、もっと色々してあげればよかった、もっと優しくすればよかったとか色々考えます。後悔も沢山あります。イライラして暴言を吐いた事もあります。自分が暴言を吐いても悲しい顔をして、自分が全部悪いんだよね、ごめんねって言ってるのに更に暴言を吐いてました。酷い時は突き飛ばした事もありました。優しくした事の方が少ないかも知れません。自分の暴言や暴力が原因で認知症が酷くなった…そして今回の事故、自分がもっと優しくすれば、もっと確り母親を見ていれば起きなかった事だと思います。酷い事をしても…どんな時も優しく自分に接して笑顔をみせてくれました。認知症になっても殆ど変わらず、今、親孝行をしてやりたいと思いますが、何をしてやればいいのでしょう？長々と失礼しました。
1. 状況の整理と、あなたの感情に向き合うこと
まず、現状を客観的に把握しましょう。お母様の状況、施設入居に至った経緯、そしてあなたの現在の感情を整理することが大切です。
- お母様の状況: 82歳、大腿骨頸部骨折からの回復期、認知症あり、栄養状態不良。
- 施設入居の理由: 認知症、あなたの精神的な問題、栄養状態の悪さ。
- あなたの感情: 罪悪感、後悔、悲しみ、孤独感、無力感。
これらの感情を抱くことは、決してあなただけではありません。多くの人が、介護の過程で様々な感情を経験します。まずは、ご自身が抱えている感情を認め、受け入れることが重要です。
具体的なアクション:
- 感情を書き出す: ノートに、今の気持ちを素直に書き出してみましょう。
- 誰かに話す: 信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。専門家（カウンセラー、精神科医など）に相談することも有効です。
- 休息をとる: 疲れているときは、無理をせず休息を取りましょう。
2. 施設入居後の親孝行：できること、やるべきこと
施設に入居したからといって、親孝行ができないわけではありません。むしろ、施設での生活を支え、お母様のQOL（Quality of Life：生活の質）を向上させるために、できることはたくさんあります。
2-1. 定期的な面会とコミュニケーション
頻繁な面会: 可能な限り、頻繁に面会に行きましょう。顔を見せるだけでも、お母様は安心します。面会の頻度については、施設の規則や、ご自身の状況に合わせて調整してください。
コミュニケーションの工夫:
- 話を聞く: お母様の言葉に耳を傾け、共感することが大切です。過去の思い出話や、近況報告など、何気ない会話を楽しみましょう。
- 写真やビデオを見せる: 家族の写真や、昔のビデオを見せることで、思い出を共有し、安心感を与えることができます。
- 手紙や電話: 面会に行けない場合は、手紙を書いたり、電話をしたりして、コミュニケーションを途絶えさせないようにしましょう。
- 認知症ケアの知識: 認知症の方とのコミュニケーション方法を学ぶことも重要です。例えば、相手の目を見て、ゆっくりと話す、簡潔な言葉を使う、などです。
2-2. 施設の環境への配慮
施設の選択: 施設を選ぶ際には、お母様の性格やニーズに合った施設を選ぶことが重要です。見学に行き、施設の雰囲気や、スタッフの対応などを確認しましょう。
環境整備: 施設での生活を快適にするために、お母様の部屋を整えたり、必要なものを持ち込んだりすることもできます。
- 好きなもの: 好きな写真、趣味の品、思い出の品などを飾ることで、安らぎを与えられます。
- 使い慣れたもの: 使い慣れたタオルや、パジャマなどを持参するのも良いでしょう。
- 季節感: 季節の飾り付けをしたり、イベントに参加したりすることで、生活に彩りを添えることができます。
2-3. 医療・介護との連携
情報共有: 施設のスタッフや、主治医と積極的にコミュニケーションを取り、お母様の状況を共有しましょう。
相談: 困ったことや、不安なことがあれば、遠慮なく相談しましょう。
- 医療的なケア: 服薬管理や、体調の変化など、医療的なケアについて、情報を共有し、連携を取りましょう。
- 介護サービス: 介護サービスの内容や、利用状況について、確認しましょう。
- 権利擁護: お母様の権利を守るために、積極的に情報収集し、必要に応じて、専門家（弁護士など）に相談しましょう。
2-4. 精神的なサポート
心のケア: 施設での生活は、お母様にとって、寂しさや不安を感じることもあるでしょう。心のケアをすることも大切です。
寄り添う: 話を聞いたり、手を握ったり、抱きしめたりすることで、安心感を与えることができます。
- 趣味や楽しみ: 趣味や、好きなことを続けられるように、サポートしましょう。
- イベント: 施設で開催されるイベントに、積極的に参加しましょう。
- 家族の絆: 家族との絆を深めるために、一緒に食事をしたり、外出したりする機会を作りましょう。
3. 後悔を手放し、未来を向いて歩むために
過去の出来事を後悔するのは、自然なことです。しかし、後悔にとらわれ続けることは、あなた自身にとっても、お母様にとっても、良いことではありません。後悔を手放し、未来を向いて歩むために、できることを考えてみましょう。
- 自分を許す: 過去の過ちを後悔するだけでなく、自分を許すことも大切です。誰もが完璧ではありません。
- 感謝の気持ちを持つ: お母様との思い出を振り返り、感謝の気持ちを持つようにしましょう。
- 未来への希望を持つ: これからできることに目を向け、未来への希望を持ちましょう。
- 専門家のサポート: 専門家（カウンセラー、精神科医など）のサポートを受けることも有効です。
具体的なアクション:
- 感謝の手紙を書く: お母様への感謝の気持ちを、手紙にしたためてみましょう。
- 思い出の品を整理する: 昔の写真や、手紙などを整理し、思い出を振り返りましょう。
- 新しい目標を持つ: これからの生活で、やりたいこと、目標などを設定してみましょう。
介護は、長期間にわたる大変な道のりです。しかし、あなたがお母様を想う気持ちは、必ず伝わります。焦らず、一歩ずつ、できることから始めていきましょう。
最後に、今回の状況は、決してあなた一人の問題ではありません。多くの人が、同じような悩みや苦しみを抱えています。一人で抱え込まず、周囲の人々や、専門家のサポートを受けながら、乗り越えていくことが大切です。
応援しています。
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まとめ
今回のケースでは、お母様の施設入居という状況下で、あなたが抱える感情と、これからできる親孝行について解説しました。重要なのは、
- 感情の整理と受け入れ: 罪悪感や後悔といった感情を認め、受け入れること。
- 積極的なコミュニケーション: 定期的な面会、会話、手紙などで、お母様との絆を深めること。
- 施設との連携: 施設のスタッフや医療関係者との情報共有と連携。
- 心のケア: お母様の心のケアと、寄り添う姿勢。
- 後悔からの解放: 過去を振り返りつつ、未来へ向かうこと。
これらの行動を通じて、施設入居後であっても、お母様のQOLを向上させ、親孝行を続けることができます。そして、あなた自身も、後悔の念から解放され、前向きに生きていくことができるでしょう。
困難な状況ではありますが、あなたがお母様を想う気持ちは、必ず伝わります。諦めずに、できることから、一歩ずつ進んでいきましょう。