カルテ開示で納得のいく答えを：大切な人を亡くされたご遺族が知っておくべきこと
カルテ開示で納得のいく答えを：大切な人を亡くされたご遺族が知っておくべきこと
最愛の母を亡くされたあなたへ。まずは、心よりお悔やみ申し上げます。大切な人を失った悲しみは、計り知れないものです。そして、その悲しみの中で、様々な疑問や不安が生まれるのは当然のことです。今回のケースでは、特に医療に関する疑問が残っているとのこと、そのお気持ちを理解し、少しでもお役に立てるよう、カルテ開示に関する情報と、今後の進め方について、具体的なアドバイスをさせていただきます。
今回のケースは、人工弁の手術後の経過、そしてその後の急変という、非常にデリケートな状況です。ご家族が納得できない気持ちになるのは、当然のことでしょう。カルテ開示は、真実を知り、納得するために非常に重要な手段となります。以下、具体的なアドバイスをさせていただきます。
質問: 病院へのカルテ開示について教えてください。 令和三年三月に実母が亡くなりました。最後は膵炎でした。 これまでの経過は 令和2年6月掛かりつけの病院（入院、手術もできる規模）から人工弁の手術を勧められ吹田の国立循環器病センターで6月中旬に手術。色々ありましたが成功し、8月に掛かりつけに転院。入院中に足腰が弱ったためリハビリの為。9月中頃退院。 家に戻り約2週間でカリウム不足ともう少し足腰の回復の為再度10月に入院。 その後ベットから落ちた影響と思われ腰の軽度の骨折でリハビリが滞り入院が長引く。11月後半からリハビリ再開。12月中旬に様態が悪くなり始め、食事が食べれなくなってくる。この頃になると病院側は好きな果物等差し入れを許可しだす。 12月下旬原因はわからない「なんでやろなぁ」と言われました。 そこから令和3年1月中旬に初めてカテーテル検査で人工弁に異常が有りそうだと。 翌日、急に国立循環器病センターへ主治医と共に救急車で搬送。その際、主治医は帰り際に私共に「すみません、すみません！」と謝りながら帰っていき、そこで初めて「ん？なんか事態は相当悪いのかと感じました。 すぐに国立循環器病センターの前回の執刀医で主治医から今から緊急手術しないと もって1週間だといわれました。原因は前回手術した人工弁が膿、冠動脈まで広がっていると。前回より厳しい手術になるとの事でした。予後もしんどい日々が続くと思われますと。13時間の手術は成功しましたが、はやり予後に色々併発し頑張ったのですが三月末に亡くなりました。 姉と姪が医療従事者で私も仕事柄医療関係の方とお話しする機会が多く、皆さん口を揃えて言うのは、その掛かりつけの病院にカルテ開示してもらったほうが良いと言う事です。人工弁の手術をした人間はあるあるの内容みたいなのですが、だからこそ病院は常に採血を行う、してたら冠動脈まで侵されるまで気づかないわけがないと言うのです。私としては、医療事故等思っている訳では無いのですが家族皆が中々納得して先に進めない状態なのです。9月17日にその掛かりつけの医療メディエーター？と主治医に会って話をする予定です。カルテ開示も要求しております。 何かこういう話の進め方が良い等アドバイスを頂けたらと思います。 宜しくお願い致します。母は享年73才でした。
1. カルテ開示請求の基礎知識：知っておくべきこと
まず、カルテ開示請求について、基本的な知識を整理しましょう。カルテとは、医師が患者さんの診療内容を記録したもので、診断、治療方針、検査結果、投薬内容などが詳細に記載されています。カルテを開示することで、病状の経過や治療内容を客観的に把握し、疑問点を解消することができます。
- 開示請求できる人: 原則として、患者さん本人、または患者さんの遺族（相続人）が請求できます。今回のケースでは、あなたが遺族として請求できます。
- 請求方法: 病院の窓口で、所定の手続きを行います。通常、申請書に必要事項を記入し、本人確認書類（身分証明書など）を提出します。
- 開示される情報: 診療録（カルテ）、検査結果、看護記録、レントゲン写真など、診療に関するすべての情報が開示される可能性があります。
- 開示にかかる費用: 病院によって異なりますが、コピー代などの実費がかかる場合があります。
- 開示までの期間: 病院の規模や状況によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月かかる場合があります。
カルテ開示請求は、ご自身の権利として行使できます。遠慮なく、病院に請求しましょう。
2. カルテ開示請求前の準備：スムーズに進めるために
カルテ開示請求をスムーズに進めるために、事前の準備が重要です。以下の点を参考にしてください。
- 情報収集: 病院名、診療科、担当医の名前、入院期間、手術日など、できる限り多くの情報を集めておきましょう。
- 疑問点の整理: カルテで知りたいこと、疑問に思っていることを具体的に整理しておきましょう。例えば、「なぜ、人工弁に異常が見つかるまで時間がかかったのか」「なぜ、食事が取れなくなったのか」など、具体的な質問を用意しておくと、カルテを読み解く際の焦点となります。
- 開示請求書の準備: 病院によっては、開示請求書の様式が決まっている場合があります。事前に病院に問い合わせて、必要な書類を確認しておきましょう。
- 相談先の検討: 医療に関する専門家（弁護士、医療コーディネーターなど）に相談することも検討しましょう。専門家の視点から、カルテの読み解き方や、今後の対応についてアドバイスをもらうことができます。
これらの準備をすることで、カルテ開示請求をより効果的に進めることができます。
3. カルテ開示請求後の対応：重要なポイント
カルテが開示された後も、いくつかの重要なポイントがあります。以下にまとめます。
- カルテの読み解き: カルテは専門用語が多く、理解が難しい場合があります。医療従事者の親族や、専門家に相談しながら、内容を理解するように努めましょう。
- 疑問点の再確認: カルテを読んで、新たな疑問点が出てくることもあります。疑問点は、メモしておき、後で病院に質問できるようにしておきましょう。
- 病院との話し合い: 医療メディエーターとの面談で、カルテの内容について質問し、疑問点を解消しましょう。感情的にならず、冷静に、事実に基づいた話し合いを心がけましょう。
- 専門家への相談: 必要に応じて、弁護士や医療コーディネーターなどの専門家に相談し、今後の対応についてアドバイスをもらいましょう。
- 記録の保管: カルテや、病院とのやり取りの記録は、すべて大切に保管しておきましょう。
カルテ開示請求は、あくまでもスタート地点です。開示されたカルテを読み解き、疑問点を解消し、納得のいく結論にたどり着くことが重要です。
4. 医療メディエーターとの面談：効果的な進め方
9月17日に予定されている医療メディエーターとの面談は、非常に重要な機会です。以下の点を意識して、面談に臨みましょう。
- 目的の明確化: 面談の目的を明確にしておきましょう。例えば、「カルテの内容について説明を受ける」「疑問点を解消する」「今後の対応について相談する」など、具体的な目的を設定することで、面談を効果的に進めることができます。
- 質問事項の準備: 事前に、カルテを読んで出てきた疑問点や、知りたいことをまとめておきましょう。質問事項は、具体的に、わかりやすく伝えるように心がけましょう。
- 感情のコントロール: 感情的になると、冷静な話し合いができなくなる可能性があります。落ち着いて、事実に基づいた話し合いを心がけましょう。
- 記録の作成: 面談の内容を記録しておきましょう。メモを取ったり、録音したりすることで、後で内容を振り返ることができます。
- 専門家の同席: 必要に応じて、弁護士や医療コーディネーターなどの専門家に同席してもらうことも検討しましょう。専門家の視点から、アドバイスをもらったり、交渉をサポートしてもらったりすることができます。
医療メディエーターは、中立的な立場で、ご家族と病院の間を取り持ち、円滑なコミュニケーションを促す役割を担います。積極的に質問し、疑問点を解消することで、納得のいく結果に近づけるように努めましょう。
5. 医療訴訟について：現時点での考慮事項
今回のケースでは、医療訴訟を考えていないとのことですが、念のため、医療訴訟に関する基本的な知識を整理しておきましょう。
- 医療訴訟の目的: 医療訴訟は、医療過誤によって損害を受けた場合に、損害賠償を請求するための法的手段です。
- 訴訟のハードル: 医療訴訟は、専門的な知識や、証拠の収集が必要であり、時間と費用がかかります。
- 弁護士への相談: 医療訴訟を検討する場合は、医療問題に詳しい弁護士に相談し、法的アドバイスを受けることが重要です。
- 和解の可能性: 訴訟を起こす前に、病院との間で和解交渉を行うことも可能です。
医療訴訟は、最終的な手段として検討するものであり、まずは、カルテ開示請求や、医療メディエーターとの話し合いを通じて、真実を明らかにし、納得のいく結論にたどり着くことを目指しましょう。
6. 成功事例から学ぶ：カルテ開示で真実を明らかにしたケース
カルテ開示を通じて、真実が明らかになり、ご遺族が納得のいく結果を得られた事例は数多く存在します。以下に、いくつかの成功事例を紹介します。
- 事例1：手術後の合併症に関する疑問: 手術後の合併症により、患者さんが亡くなったケース。カルテ開示により、手術中の医療行為に問題があったことが判明し、病院側が謝罪し、和解が成立した。
- 事例2：診断の遅れによる病状悪化: 早期に診断されていれば、治療できた病気が、診断の遅れにより悪化し、患者さんが亡くなったケース。カルテ開示により、診断の遅れが明確になり、病院側が過失を認め、損害賠償が支払われた。
- 事例3：治療方針の誤り: 誤った治療方針により、患者さんの病状が悪化したケース。カルテ開示により、治療方針の誤りが明らかになり、病院側が謝罪し、和解が成立した。
これらの事例から、カルテ開示が、真実を明らかにし、ご遺族の心の傷を癒すために、いかに重要であるかがわかります。
7. 専門家の視点：信頼できる情報源
カルテ開示や、医療に関する情報は、専門的な知識が必要であり、信頼できる情報源から情報を収集することが重要です。以下に、信頼できる情報源をいくつか紹介します。
- 弁護士: 医療問題に詳しい弁護士は、法的アドバイスや、訴訟に関するサポートを提供してくれます。
- 医療コーディネーター: 医療コーディネーターは、医療に関する専門知識を持ち、患者さんやご遺族の相談に乗ったり、医療機関との交渉をサポートしたりしてくれます。
- 医療関係者: 医療従事者である親族や、友人などに相談することも有効です。専門的な知識や、経験に基づいたアドバイスをもらうことができます。
- 書籍やウェブサイト: 医療に関する書籍や、信頼できるウェブサイトから情報を収集することもできます。ただし、情報の信頼性を確認することが重要です。
これらの情報源を活用し、正しい情報を収集することで、より適切な判断をすることができます。
8. 今後のステップ：納得のいく結論へ向けて
今回のケースでは、以下のステップで進めていくことをお勧めします。
- ステップ1：カルテ開示請求: まずは、病院にカルテ開示請求を行いましょう。
- ステップ2：カルテの読み解き: 開示されたカルテを、医療従事者や、専門家に相談しながら、読み解きましょう。
- ステップ3：疑問点の整理: カルテを読んで出てきた疑問点を整理し、具体的にまとめておきましょう。
- ステップ4：医療メディエーターとの面談: 9月17日の医療メディエーターとの面談で、カルテの内容について質問し、疑問点を解消しましょう。
- ステップ5：専門家への相談: 必要に応じて、弁護士や医療コーディネーターなどの専門家に相談し、今後の対応についてアドバイスをもらいましょう。
- ステップ6：結論の検討: カルテの内容、医療メディエーターとの話し合い、専門家のアドバイスなどを総合的に考慮し、納得のいく結論を導き出しましょう。
これらのステップを踏むことで、真実を知り、納得のいく結論にたどり着くことができるはずです。
最後に、あなたが抱える心の痛みは、決して一人ではありません。多くの人が、あなたと同じように、大切な人を失い、悲しみ、苦しみ、そして、真実を求めています。どうか、諦めずに、前向きに進んでください。そして、ご自身の心と、ご家族の気持ちを大切にしてください。
ご家族の皆様が、一日も早く、心穏やかな日々を送れることを心から願っています。
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