労災保険の給付金はいつ？障害等級7級認定後の給付と手続きを徹底解説
労災保険の給付金はいつ？障害等級7級認定後の給付と手続きを徹底解説
仕事中の事故で指を切断し、労災リハビリに通院、障害者等級7級の認定を受けたものの、労災保険からの給付がまだ一度もないという状況なのですね。会社に手続きを任せているものの、給付のタイミングや金額について不安を感じていることと思います。この記事では、労災保険の給付に関する疑問を解消し、安心して療養生活を送れるよう、具体的な情報とアドバイスを提供します。
仕事中、指を切断して労災リハビリ通院しています。障害者の等級、7級認定されました。ですが、労災からの給付がまだ一度もありません。会社の方に任せているのですが、休業補償は完治してから給付されると聞きました。でもその他の給付はいつもらえるのでしょうか。またどれくらいの給付が受けられるのでしょうか。
労災保険の給付の種類と、それぞれの給付時期
労災保険には、様々な給付の種類があります。それぞれの給付がいつ、どのような形で受けられるのかを理解することが、今後の生活設計において非常に重要です。
療養（補償）給付
労災保険の療養（補償）給付は、労働者が業務上の事由または通勤途中の事故により負傷し、または疾病にかかった場合に、その療養に必要な費用が支給されるものです。具体的には、病院での治療費、手術費用、入院費用などが対象となります。療養（補償）給付は、原則として、治療が終了するまで継続して支給されます。
給付のタイミング：治療を受けた医療機関を通じて、労災保険に請求が行われます。そのため、労働者が直接手続きを行う必要はありません。ただし、医療機関が労災指定医療機関である必要があります。労災指定医療機関であれば、窓口での自己負担はありません。
注意点：労災指定医療機関以外で治療を受けた場合は、一旦費用を立て替える必要があります。その後、労働基準監督署に療養費の請求を行うことで、費用が払い戻されます。
休業（補償）給付
休業（補償）給付は、業務上の事由または通勤途中の事故による負傷や疾病のため、労働することができず、賃金を受けられない場合に支給されます。休業4日目から支給対象となり、休業1日につき、給付基礎日額の80%が支給されます。
給付のタイミング：休業期間が確定し、労働基準監督署に請求が行われた後、支給されます。通常、1〜2ヶ月に一度、まとめて支給されることが多いです。
注意点：休業期間中の賃金の一部または全部が支払われている場合は、その分が控除されます。
傷病（補償）年金
傷病（補償）年金は、療養開始後1年6ヶ月を経過しても負傷または疾病が治らず、傷病等級が第1級から第3級に該当する場合に支給されます。障害の状態に応じて、年金または一時金が支給されます。
給付のタイミング：傷病等級が決定した後、年金または一時金が支給されます。年金の場合は、定期的に支払われます。
注意点：傷病（補償）年金を受給できる場合は、休業（補償）給付は支給されません。
障害（補償）給付
障害（補償）給付は、業務上の事由または通勤途中の事故による負傷や疾病が治癒し、身体に障害が残った場合に支給されます。障害の程度に応じて、障害等級が第1級から第14級に区分され、それぞれの等級に応じた年金または一時金が支給されます。
給付のタイミング：障害等級が決定した後、年金または一時金が支給されます。年金の場合は、定期的に支払われます。今回の相談者様のように、障害等級7級に認定された場合は、障害補償一時金が支給されます。
注意点：障害（補償）給付を受給できる場合は、傷病（補償）年金は支給されません。
遺族（補償）給付
遺族（補償）給付は、労働者が業務上の事由または通勤途中の事故により死亡した場合に、遺族に対して支給されます。遺族の人数や年齢に応じて、年金または一時金が支給されます。
給付のタイミング：遺族が労働基準監督署に請求を行った後、支給されます。年金の場合は、定期的に支払われます。
注意点：遺族（補償）給付を受給できる遺族の範囲や順位が定められています。
介護（補償）給付
介護（補償）給付は、障害（補償）年金または傷病（補償）年金受給者のうち、一定の障害の状態にある方で、常時または随時介護を必要とする場合に支給されます。
給付のタイミング：介護が必要となった時点で、支給が開始されます。定期的に支払われます。
注意点：介護（補償）給付を受給するためには、一定の条件を満たす必要があります。
障害等級7級の給付について
今回の相談者様は、障害者等級7級の認定を受けられました。障害等級7級に該当する場合、労災保険からは障害補償一時金が支給されます。
障害補償一時金の金額
障害補償一時金の金額は、給付基礎日額（事故発生前1年間の賃金の総額を365で割った額）によって決定されます。障害等級7級の場合、給付基礎日額の313日分が支給されます。
例えば、給付基礎日額が10,000円の場合、
10,000円 × 313日 = 3,130,000円
となり、313万円が障害補償一時金として支給されます。
給付金を受け取るまでの流れ
- 療養の完了または症状固定：治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を「症状固定」といいます。
- 障害の診断：症状固定後、医師が障害の程度を診断し、診断書を作成します。
- 障害（補償）給付の請求：会社を通して、またはご自身で労働基準監督署に障害（補償）給付の請求を行います。
- 障害等級の決定：労働基準監督署が、医師の診断書やその他の資料を基に、障害等級を決定します。
- 給付金の支給：障害等級が決定後、障害補償一時金が支給されます。
注意点：請求から給付金の支給までには、通常数ヶ月程度の時間がかかります。また、請求に必要な書類や手続きについては、労働基準監督署または会社の担当者に確認してください。
会社への対応と、ご自身でできること
会社に労災保険の手続きを任せている場合でも、ご自身で状況を把握し、積極的に関わることが重要です。
会社との連携
会社の人事担当者や労務担当者と、定期的に連絡を取り、手続きの進捗状況を確認しましょう。不明な点があれば、遠慮なく質問し、必要な書類や情報を提供するようにしましょう。また、ご自身の怪我の状況や治療の経過についても、会社に伝えることが大切です。
労働基準監督署への相談
労災保険の手続きや給付について、疑問や不安がある場合は、最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署では、労災保険に関する様々な相談に応じてくれます。また、手続きに関する書類の書き方や、必要な手続きについても教えてくれます。
弁護士への相談
労災保険の手続きや給付に関して、会社との間でトラブルが発生した場合や、給付金額に納得できない場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。弁護士は、法律の専門家として、あなたの権利を守るために、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
労災保険給付に関するよくある質問と回答
労災保険の給付に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1：労災保険の給付は、いつから受けられますか？
A1：療養（補償）給付は、治療が開始された日から受けられます。休業（補償）給付は、休業4日目から受けられます。障害（補償）給付は、障害等級が決定した後から受けられます。
Q2：労災保険の給付は、どのくらいの期間受けられますか？
A2：療養（補償）給付は、治療が終了するまで受けられます。休業（補償）給付は、休業期間中受けられます。障害（補償）給付は、障害の程度に応じて、年金または一時金が支給されます。
Q3：労災保険の給付は、会社が倒産した場合でも受けられますか？
A3：労災保険は、国が運営する保険制度ですので、会社が倒産した場合でも、給付を受けることができます。
Q4：労災保険の給付は、税金がかかりますか？
A4：療養（補償）給付、休業（補償）給付、障害（補償）給付（一時金）は、非課税です。ただし、障害（補償）年金は、所得税の対象となります。
Q5：労災保険の給付は、他の保険と併用できますか？
A5：労災保険の給付と、他の保険（例えば、民間の医療保険や生命保険）を併用することは可能です。ただし、同じ事由で重複して給付を受けられるものと、そうでないものがあります。詳しくは、加入している保険会社にご確認ください。
まとめ
労災保険の給付は、労働者の生活を支える重要な制度です。今回の相談者様のように、障害等級7級に認定された場合は、障害補償一時金が支給されます。給付のタイミングや金額、手続きについて理解し、会社や労働基準監督署と連携しながら、適切な給付を受けられるようにしましょう。ご自身の状況に合わせて、専門家への相談も検討し、安心して療養生活を送ってください。
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